「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。
ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を,地域が主体となって総合的に整備・活用し,国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより,地域の活性化を図ることを目的としています。
世界遺産登録や文化財指定は,いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い,保護を担保することを目的とするものです。一方で日本遺産は,既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく,地域に点在する遺産を「面」として活用し,発信することで,地域活性化を図ることを目的としている点に違いがあります。
今から800年前、泉佐野市は上級貴族、九条家の領地「日根荘」でした。ここには二枚の荘園絵図と九条政基が書いた「旅引付」という日記が残されています。絵図には緑豊かな風景に、田畑に恵の水を注ぐため池や水路、社寺などが描かれ、日記には500年前の村の生活や人々の様子がいきいきと記されています。荘園の地を創り、中世から受け継がれてきた現在のこの風景は、絵図や日記に描かれた魅力ある農村景観へと誘ってくれるのです。
日本遺産ストーリーに紐付く、国宝・重要文化財を含む「日根荘遺跡・国宝 慈眼院」「七宝瀧寺」「日根神社まくらまつり」「大木火走神社秋祭りの担いダンジリ行事」「日根荘大木の農村景観」「湊遺跡出土烏帽子」など計24の構成文化財。中世から現在まで守り伝えられてきた数々の文化財をご紹介します。