七宝瀧寺絹本著色不動明王二童子四十八使者図しっぽうりゅうじけんぽんちゃくしょくふどうみょうおうにどうじよんじゅうはちししゃず
四十八使者図を伴う不動明王を描く絵画で、日根荘に由来し、南北朝期の葛城修験の世界を伝える。
両面中央に不動明王とその眷属の矜羯羅・勢多迦の二童子を配し、その左右に四十八使者を描く不動明王の絵画です。四十八使者のそれぞれの形状、肉色、持ち物より各使者の尊名を明らかにすることができ、それを順序どおりに描いています。
この図の髪の毛筋、着衣の文様、装身具の金泥など著色が丁寧であることや、筆遣いから南北朝中期に製作されたと考えられています。
同じ頃に製作されたものに岡山県宝光寺の作品がありますが、岩座の雛に金泥を入れている以外は全く同じ図柄で、四十八使者を描く不動明王の絵画は、日本でこの2点のみと貴重なものです。
平成5(1993)年に市指定有形文化財となりましたが、その重要性から平成24(2012)年に府指定有形文化財になりました。