七宝瀧寺絹本著色不動明王八大童子図しっぽうりゅうじけんぽんちゃくしょくふどうみょうおうはちだいどうじず
両肘を曲げて持物をとる不動明王を中心に、左右に俱利伽羅龍剣と八大童子を描く図様で、日根荘に由来し、南北朝期の葛城修験の世界を伝える。
画面中央に鋭い目で左手に羂索をもち直立する不動明王を、断崖にはその眷属眷属である八大童子を様々な姿で描き、画面向かって左下の切先を上にして地面に立てている宝剣、倶利伽羅龍が絡みつく倶利伽羅龍剣を描いています。この八大童子図は、「犬鳴不動出現図」の本尊として今も大切にされています。図左上に「等梅」と判読できる朱文の印があることから、作者は等梅であることがわかっています。等梅は、筑後に生まれ、高野山で修行し、雪舟等楊に学んだ画人です。本作品は、随所に金泥のあるきめ細やかな作風ですが、絹目と賦彩に室町時代特有の荒さが見受けられます。