土丸極楽寺つちまるごくらくじ
真言宗御室派。九条家文書に記され、修正会、法華八講などが行われ、中世以来の民衆信仰の世界。
日根荘入山田村槌丸村の村落寺院。『九条家文書』応永24(1417)年「入山田村四ケ村段銭・田数・年貢米注進状」に「極楽寺」の名前が見え、修正会や法華八講が行われる寺院でした。近世以降は、天保13(1843)年の和泉国寺社覚に名前が見られ、現在、真言宗御室派で仁和寺末の寺院です。
本尊には、平安時代末期の木造阿弥陀如来座像(市指定有形文化財)があります。この本尊は、像高99.0cm、一木割矧造、割首、彫眼、肉身部は漆箔、衣部は古色仕上げ、左足を前にして結跏趺坐する上品下生印の阿弥陀如来です。両膝が大きくゆったりと左右に張り出し、体奥を浅くするのは藤原彫刻の特徴です。衣文を見ると細かくにぎやかに表現されていることから、少し新しいものと思われます。平成8(1996)年に修理を行い、当初の姿に復元しました。胎内に「藤原姉子為十三年□□/銭百文施入」の墨書銘が残っており、頭部内部にも二行の墨書銘が見られます。レプリカが「レイクアルスタープラザ・カワサキ歴史館いずみさの」に展示されています。
境内には永徳2・弘和2(1382)年花崗岩製の宝篋印塔、永正2(1505)年の一石五輪塔が残っています。